中井智司 前部会長の後任として,第11期の環境部会部会長を拝命いたしました,エネルギー総合工学研究所の黒沢厚志です.宜しくお願い申し上げます.
カーボンニュートラルは世界的に見ても,メインストリームとなりました.パリ協定が目指すネットゼロGHGs排出のためには,削減が困難なCO2排出源や,CO2以外の温室効果ガスを含めて正味ゼロの排出の可能性を示すことが求められています.一方で,水,大気,土壌などの環境対策は,いまだに重要な課題となっています.エネルギーおよび環境の要素技術や,それらを組み合わせた環境システムについて,化学工学的視点からの検討が必須であることはいうまでもありません.さらに,工学的アプローチに加え,その他の自然科学や社会科学を含めた学際的アプローチが従来にも増して重要となってきました.
環境部会では,様々な専門分野の研究者やエンジニアが4つの分科会(水環境プロセス分科会,地球環境分科会,リサイクル分科会および環境システム分科会)をプラットフォームとして活動を進めております.今後は,環境に関する個別分野の研究を深めるとともに,横断的研究を強化し,それらの成果を情報発信するとともに,化学工学および他分野との交流を行い,学術的および社会的な役割を果たすべく,努力していきたい所存です.
部会に求められる役割として,情報発信に加えて,人材交流や情報交換,協働の機会を得る場としての役割は大変重要であることには変わりはありません.新型コロナウィルス感染症の世界的拡大は,オンラインでのコミュニケーションの利便性を再認識する機会となり,海外はもちろん,国内においてもオンライン会合は一般的になりました.化学工学会においても,ハイブリッド形式での研究講演発表会が実施されるに至っています.そのような状況にある現在,直接会話ができる,対面での交流機会はますます重要になってきています.環境部会では,年会および秋季大会におけるオンサイト参加者を対象に,今後の活動を議論するための幹事会および拡大幹事会を実施しています.夕刻より行われる拡大幹事会では,部会会員の皆様に広くご出席いただきながら,部会として強化すべき機能や活動といった話題から,研究テーマや研究環境に関する諸問題など幅広い分野について闊達に意見交換し,これまでに多くのアイディアや新しい交流チャンネルが生まれております.是非,多くの方々にご参加いただきたく,お待ちしております.
2023年4月
エネルギー総合工学研究所 研究理事 黒沢厚志
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